私は、すごい人間じゃない。
小さい頃から、気分屋で、飽き性だ。
趣味もあるし、好きなこともある。
ただ、長くは続かない。
こんな気分屋で飽き性な私が、
今日まで看護師を辞めずに来た。
ずっと、大人になったら勝手に理想の自分になれるんだと思っていた。
勝手に成長するんだと思っていたのだ。
「綺麗になりたい」「痩せたい」
そんなことは口癖のように出てくるのに、行動は伴わない。
典型的な「3日坊主」人間だ。
形から入るタイプなので、ジムに入会したり、可愛いウェアを買ったりする。
やる前は、ワクワクする。
なのに、入会したら続かない。
スキンケアやコスメも好きだ。
新商品を調べたり、店舗に見に行くとキラキラした世界に憧れる。
そんな私は、どこにでもいる変哲のない人間だ。
あの頃思い描いていた、立派な大人なんかじゃない。
なのに、承認欲求は人並み以上にある。
認められたい。
評価してほしい。
すごい人間になりたい。
来世ではスーパーマンになりたい。
だけど、今世ではこの気分屋で、飽き性な私と
生きていかなければならない、らしい。
すごい人間になりたいのに、なれない現実は
”仕方ない”し。
”当たり前”らしい。
でも、”すごい人間”ってなんだろう。
なんでもできる人?
みんなに認められてる人?
困難を乗り越えられる人?
とてつもなく運がある人?
なれそうで、ちょっと届かない。
なんでもできる人間になりたいのに、
そこまでの努力ができなくて。
ダイエットだって、勉強だって、ちょっとの努力が足りていない。
「続ける」ってこと。
朝起きて、鏡を見ながらふと思う。
ーー今日は帰ってきたらちゃんと筋トレしよ。
そう思って、仕事に行く。
帰ってくる頃にはもう気力がない。
ーーまあ、今日は仕事でたくさん動いたから、筋トレは明日にしよう。明日こそは絶対に。
そう、自分を甘やかす。
「続ける」ってとても難しい。
仕事だって同じだ。
今日まで、よく続けてきたと思う。
だって、飽き性なのだ。
何回も、何十回と、辞めたくなった。
その度に
「もう絶対こんなとこ辞めてやる」
「看護師じゃない仕事がしてみたい」
そんなことを思い、実際に宣言したこともある。
でも、次の日も変わらず出勤した。
なんの変哲もない普通の私は”無断欠勤”なんてできなかった。
「体調不良です」とも言えなかった。
”出勤する”以外の選択肢が私には見えなかったのだ。
ミスした日は自分を責めて、
人に話したら楽になるかもって思うのに
”すごい人間”になりたい私は”ミスした自分”を話せなかった。
だって、”普通の人間”だとバレるのが怖かった。
看護師以外の人間になってみたかった。
だけど、スマホで転職検索するのは「看護師」というキーワードだった。
矛盾を抱えた私は”普通”なのだと思う。
”働きたくない”と”辞められない”
”すごい人間になりたい”のに”努力が続かない”
”看護師辞めたい”のに”看護師で転職検索している”
だから、ここまで来られた。
世の中にはこんな”普通”で溢れているのかもしれない。
きっと、”すごい人間になりたい私”が私の中にいる限り、
本当の”普通の私”を認めてあげることは、できないのかもしれない。
これからだって、情けない私も、普通の私も、たくさん出てくるだろう。
今まで出会ったことのない”新しい私”が出てくるかもしれない。
その私たちを含めて”私”らしい。
「続ける」ことができなくて、何度も自分を責めた。
「だから、そんなこともできないんだよ」
そんな言葉を自分に掛けていた。
誰かに言われたわけじゃないのに、
自分で、自分を苦しめて
完璧な人間を羨んで。
私だって、目指せばいいのに
どこかで線引きしていた。
ーーここから先は目指せない。挑んでも無理だ。
最低限の努力で、限界を作っていた。
努力しようとしたら、まだできたのかもしれない。
でも、心でブレーキがかかる。
ーー私は、こんなもんで十分だ。
そう、自分に言い聞かせてた。
完璧にはなれなかった。
途中で何度もブレーキを踏んだ。
自分で限界を作ってきた。
それでも、
ここまで来た。
すごい人間にはなれていないけど、
普通の私で、ここまで来られたのだ。
”普通の私”を続けている。
明日もきっと、
情けない私も、強がる私もいるけれど、
そんな自分を抱えながら
私は”私”をやる。
たぶん。


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